タイ進出の魅力とは、底知れない強さを持った経済だと考えています。アジア通貨危機や世界金融危機が起こった年はGDP成長率がマイナスでしたが、その翌年には成長率5%以上を実現しています。こうしたV字回復できる底力がタイ進出の魅力であります。また進出の際東南アジアの他国や、ASEAN諸国と比較して通信などのインフラの水準が高いことも魅力だと思います。さらにASEAN内で一人当たりGDPが4位の為、大きな内需を期待できます。進出の難易度を考えると日本とタイの外交関係は120年以上に及び、ビジネスにおいてもタイに進出した日本企業が会員となるバンコク商工会議所は60周年を迎え、登録者数は2015年4月の時点で1618社になりました。こうした背景を考えると進出の難易度はそれ程高くないと考えられます。 タイ進出の課題は文化の違いです。おおらかな国民性もあり、就業中の私語や私的なメールが日常茶飯事で行われます。しかし「今日の仕事は終わったから別に良いだろう」という態度を取ります。厳しく統制すればすぐやめてしまいます。これが出来るのは労働市場が売り手市場だからです。近年多くの外資企業の進出もあり、目覚しい発展を遂げていますが、その影で労働力不足が深刻化しています。進出時無理に日本のやり方を押し付けず、文化の違いを理解して任せることが事業を円滑に行う鍵となります。 タイ進出と言えば製造業です。既に多くの日系企業が進出し、ノウハウの蓄積がされています。優秀な人材が多く育っているので進出後、品質の高い製品を作りやすい環境にあると考えられます。