ラオス進出支援

ラオスの地域統括

目次

1.株主(株主総会) ■株主数 ■株主総会
2.取締役
■取締役の人数 ■国籍・居住性 ■選任・解任 ■取締役会
3.監査役 ■監査役の設置義務 ■監査役の権限と役割
4.株式 ■株式の種類 ■増資・減資

1.株主(株主総会)

■株主数
ラオスの企業法上、非公開会社の株主数は2~30名とされています。一方、公開会社の場合は発起人である株主が9名以上必要となり、上限は規制されていません(2条)。
非公開会社の株主が30名を超える場合には、株主総会の特別決議を行うことによって、非公開会社としての体系を維持できます。(85条)。特別決議を行わない場合は、会社を解散するか、公開会社に変更しなければいけません。
また、ラオスでは、1人会社(Sole-Trader Enterprises)という概念が企業法上存在し、株主が1名でも会社を設立することが認められています(2条)。この1人会社と通常の非公開会社は別々に定義付けされていますが、実質はほとんど変わりません。個人、法人のどちらでも株主となることが認められています(78条)。複数の出資者を持つ場合には、非公開会社へ社名変更をして、非公開会社の規定に従わなければなりません(173条)。

【株主数の比較】
ラオス日本
1人会社非公開会社公開
株主数1名2~30名9名以上1名以上

■株主総会
株主総会は会社の最高意思決定機関であり、役員の選任や決算書の承認、配当の決定、増減資など、会社にとって重要な事項を決議します。この点については、日本と同じですが、定足数や決議要件などの点で異なります(143条)。

【普通決議と特別決議の比較】
ラオス
非公開会社公開会社
普通決議決議内容・取締役の選任
・取締役の報酬
・配当
・監査役の選任
・決算書の承認 他
定足数発行済株式数の過半数、かつ2名以上の株主
決議要件出席した株主の議決権の過半数
特別決議決議内容・定款変更
・増資
・減資
・合併
・会社の解散 他
定足数発行済株式数の80%以上の出席
決議要件出席した株主の議決権の3分の2

■定足数
会社は株主総会における定足数を定款に記載しなければなりません。定款に記載をしない限り、普通決議の場合は、発行済株式総数の過半数を所有し、かつ、2名以上の株主の出席をもって定足数となります(138条)。特別決議の場合には要件が加重され、発行済株式総数の80%以上の株主の出席をもって定足数要件となります(144条)。 なお、総会開始から2時間たっても定足数に満たない場合、議長は総会を中断する権利があります。この場合、延期された株主総会は、総会の中止後15日以内に開催されます(140条)。

2.取締役

ラオスの企業法上、取締役は、会社の業務執行を行うために設置を義務付けられた機関です。取締役については、企業法116条から128条に定められており、非公開会社、公開会社ともに同様の条文を用います。取締役は、株主総会の監督の下、会社定款によってその職務内容が決定されます。

■取締役の人数
取締役の人数は、公開会社、非公開会社とも1名設置すればよく、会社の必要性に応じて、複数の取締役を設置することができます。また、株主も取締役になることができます(116条、120条)。
■国籍・居住性
ラオスの企業法上、公開会社、非公開会社ともに取締役の国籍、居住地に関して明文規定はありません。そのため、外国人でも取締役になることが可能です。取締役が現地で居住する必要もありません。
■選任・解任
最初の取締役は創立総会で選任され、以後は株主総会で選任・解任が行われます(118条)。取締役の任期は2年で、再選も可能です(120条)。 株主総会における取締役の選任・解任の投票手続は、普通投票もしくは累積投票の2つの方法によって実施することができます(119条)。
■取締役会
取締役会については、企業法129条から134条に定められており、非公開会社、公開会社ともに同様の条文が適用されます。
2名以上の取締役を有する株式会社は取締役会を設置することができ、資本金が500億キープ以上の会社は取締役会の設置が義務付けられます(129条)。
取締役会の機能としては、取締役の業務執行を監督し、会社の基本方針を策定するほか、定款で定められた権利義務を有します(130条)。

3.監査役

■監査役の設置義務
ラオスの監査役は、日本と同じように会社経営の業務監査および会計監査によって、違法または著しく不当な職務執行行為がないかどうかを調査し、不正を阻止・是正することに責任を負います。
監査役の設置義務は公開会社と非公開会社で異なり、非公開会社の場合、監査役を設置する義務はなく、設置は任意となります。ただし、500億キープ(約5億円)以上の資産を保有する場合は、監査役を雇わなければなりません(153条)。
一方、公開会社では、会社成立の日から監査役を選任する必要があります(179条)。
■監査役の権限と役割
監査役は、役員や従業員に対する業務に関する質問、帳簿の閲覧、などの権利を有し、その結果を、株主総会で報告しなければなりません(156条)。監査役の権限は以下のとおりです(156条)。

・監査報酬の受領
・会計監査の実施
・取締役、役員または従業員に対する質問
・株主総会への会計監査報告書の準備

4.株式

■株式の種類
日本では、様々な種類の株式を発行することが企業法上認められていますが、ラオスでは、普通株式と優先株式の2種類のみです(94条)。定款に特段の定めがない場合は、そべて普通株式として扱われます。
■増資・減資
定款に記載された法定資本の増資、減資は公開会社、非公開会社を問わず、株主総会の特別決議により、実施することができます(110条、112条)。 増資・減資を行った場合は、変更登録を増資・減資の決議を行った日から10営業日以内に提出しなければならず、変更登録日から10営業日以内に最低1度は公告を出さなければなりません(115条)。
ただし、減資の場合は、会社資産の流出につながるため、以下の要件を満たさなければ、実施することはできません(112条)。

・減資後の残高が最低資本金2,000キープを下回らない
・減資後の資本金は登録資本金の2分の1以上かつ、関連当局の定める金額以上
・株主総会の特別決議による決議
・債権者が減資に反対しないこと

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