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M&Aスキームの基本 |タイ進出コンサルティング

M&Aスキームの基本

タイM&Aスキームの検討

タイにおいてM&Aを行う手法としては、まず株式の取得による方法として、株式の公開買付を含む既発行株式の取得、及び第三者割当増資による新株の取得が挙げられます。

他に合併などの組織再編も考えられますが、タイの会社法上では、吸収合併の制度は無く、新設合併だけが規定されています。また、会社分割の制度は現在のところ設けられていません。
株式の取得以外の方法としては、事業譲渡の手法が検討される事が一般的となります。
タイの会社の経営権を取得する方法としては、以下のような方法が考えられます。

【M&A取引の手法】
株式取得
公開買付
上場会社の株式を取得する場合、買付の価格、数量、期間を公表し、買付を行う
株式の譲渡
公開買付の要件に該当しない場合や非公開会社の株式を取得する場合に、既存株主から直接株式を取得する
新株発行
第三者割当
対象会社の株式を新規発行し、当該株式を引き受ける方法
事業譲渡
全部譲渡
すべてまたは実質的にすべての事業の譲渡
一部譲渡
会社のうち、特定の事業を譲渡
合併
新設合併
2以上の会社がする合併であり、合併により消滅する会社の権利、義務のすべてを合併により新設する会社に継承させる

公開買付の手続

公開買付は、上場会社の株式の取得をする際、取得する株式の数量、価格、期間などを事前に公表してから株式を取得します。公開買付の手続は買付開始日に先立ち、様々な段階を踏む必要があります。

①保有株式報告書、株式公開買付意向書をSECへ提出
公開買付者はまず、議決権総数が25%、50%、75%に達する株式取得の翌営業日までに、SEC(証券取引委員会)に対して、保有株式報告書を提出しなければなりません。また既発行株式の取得の場合にはSEC及びSET(タイ証券取引所)にそれぞれ株式公開買付意向書を提出しなければなりません。

②公開買付届出書及び公開買付応募申込フォームの提出
保有株式報告書及び株式公開買付意向書の提出から7営業日以内に、SECに対して、SECのリストに掲載されているフィナンシャルアドバイザーによって作成された公開買付届出書及び公開買付応募申込書フォームを提出します。その際には、SECに対して手数料を支払います(上場会社買収規則告示18条)。

③公開買付届出書の写し及び公開買付応募申込フォームの交付及び新聞公告
対象会社、対象会社の株主及びSETに対し、公開買付届出書の写し及び公開買付応募申込フォームを交付します。また、タイ語日刊新聞2紙以上及び英字日刊新聞1紙以上において公告することが義務付けられています。
なお、対象会社は、公開買付け届出書の写しを受け取ってから15営業日以内に公開買付けに対する意見書をSECに提出し、その写しを全株主及びSETに交付します。

④公開買付期間開始
公開買付届出書の提出から3営業日後に、公開買付期間が開始され(上場会社買収規則告示23条)、公開買付の期間は25営業日から45営業日の間で設定することになっています。
公開買付の期間は最大45日間まで延長することが可能ですが、公開買付届出書において、期間延長はしない旨、もしくは届出書に記載された期間が最終的なものと記載している場合には延長することはできません(上場会社買収規則告示24条)。

⑤公開買付の終了
公開買付期間の終了後5営業日以内に、公開買付者は公開買付報告書をSECに提出し、その写しをSETに提出しなければなりません(上場会社買収規則告示34条)。

■公開買付後に非上場とする場合
公開買付により支配権を獲得し、その後、上場を廃止する場合もあります。上場廃止するメリットとしては、上場維持にかかる費用の削減や、財務情報の公開義務の免除などがあげられます。また、第三者から買収されることもなくなります。
公開買付手続を行う前に、対象会社の取締役会において上場廃止の決議を行い、同日中(または翌営業日のSET取引開始時間の1時間前まで)に、SETに通知をします。
その後、上場廃止についての株主総会を招集し、4分の3以上の賛成による決議を行い、発行済株式の総議決権の10%以上の反対株主がいないことが上場廃止の要件となります。
 株主総会の決議後、対象会社はSETに上場廃止申請を行い、SETがそれを承認した後に、公開買付者は、公開買付の手続きを行います。手続は前述のとおりであり、公開買付期間終了後、SETが上場廃止の旨を公表し、公表後7日後に上場廃止となります。

第三者割当増資による新株の取得

前述の公開買付は、発行済の株式を他の株主から買い付けることにより支配権を獲得する方法ですが、対象会社が新たに新株を発行し、これを引き受けることで支配権を獲得する方法も利用されています。 公開会社は、非公開会社と異なり、第三者割当増資を行う事ができます(公開会社法137条)。

[第三者割当増資の手続]
新株発行による増資を行うためには、まず株主総会にて、出席株主の議決権のうち4分の3以上の承認を得なければなりません。また、決議の日から14日以内に登録資本金の変更登記を行う必要があります(公開会社法136条)。

[公開買付規制の適用免除]
第三者割当による新株取得の場合、原則として公開買付が義務づけられます(上場会社買収規則17条1項)。ただし、株主総会決議による承認などの一定の要件を満たすと、公開買付の義務が免除されます。

【公開買付規制の適用免除を受ける為の要件】

新株発行後の保有議決権割合

要件

議決権総数の25%以上50%未満となる場合

   取得される株式が発行済株式ではなく新株であること。

   対象会社の株主総会において出席株主の議決権(当該取得者及びその関係者は除く)の4分の3以上を有する株主による承認を得ること。

   取得者が、対象会社の取締役会が発行決議を行った後、前記の株主総会決議までの期間、対象会社株式を取得しないこと。

議決権総数の50%以上となる場合

前記①~③に加え

    前記②と同じ株主総会における決議において、既存株主に持株比率に応じた新株引受権を付与する旨の決議がなされたが、かかる新株引受権が行使されなかったこと。

[公開買付規制免除の手順]
【適用免除の手続】

*書類A:適用免除申請書、株主総会決議申請者、株主総会招集通知

書類B:株主総会決議申請者、株主総会招集通知

公開買付の適用免除を行うには、まず買付者は、対象会社の取締役会に対して新株取得の意思を伝え、株式取得の意向について対象会社の取締役会の承認を得た後、対象会社に対して株主総会決議申告書を提出します。その後買付者はSECに対して、公開買付規制の適用免除申請書、株主総会決議申告書の写し及びフィナンシャルアドバイザーの意見書等を添付された株主総会召集通知の写しを提出し、さらに提出日から7営業日以内に株主総会決議申請書及び株主総会招集通知が各株主及びSETに送付されるよう手配します。
対象会社の株主総会決議は、取締役会決議から90日以内に行われなければならないとされており、取得者は、株主総会決議の翌営業日までに株主総会決議の議事録の写しをSECに提出します。
上記図にある手続が完了しますと、株主総会の承認を得た日から公開買付義務の適用免除の効力が発生します。

全部事業譲渡

全部事業譲渡に関しては、簿価で譲渡することができるなど様々な優遇、免除を受けることができます。ただし、免税を受けるには、譲渡側及び譲受側が租税を滞納していないことなどの条件や、譲渡が行われるのと同一の会計年度内に清算を行うなどの条件が定められています。
なお、譲受側が留意しなくてはいけない点として、以下のように外国人事業許可等の継承と、従業員の継承があげられます。

ž 外国人事業許可等の許認可は自動的に継承できない
ž 従業員の継承には、個々に同意を得る必要があり、得られない場合、労働者保護法もしくは就業規則等に基づき解雇保証金を支払うことになる

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