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労務・労働法

目次

1.雇用契約と就業規則■雇用契約 / ■就業規則 
2.日本とタイの国際比較 ■日本とタイの労働基準比較
3.リンクリンク一覧

1.雇用契約と就業規則

■雇用契約
使用者は、労働者を雇用する場合には、書面または口頭で雇用契約をしなければなりません。雇用契約の締結については、民商法典第3部第6章や労働者保護法に規定されています。雇用契約には、期限を定めるものと期限を定めないものとがあります。労働条件等を記載した雇用契約書を作成するのが通常です。

■就業規則
10人以上を常時雇用する使用者はタイ語の就業規則、従業員台帳および賃金台帳を作成し、労働局の検査を受けられるようにしておく必要があります。就業規則は作成または変更後7日以内に、就業規則の写しを労働福祉保護局に提出しなければなりません。就業規則に記載しなければならない項目は下記のとおりです。

・ 労働日、通常の勤務時間と休憩時間
・ 休日、休日取得の方法
・ 超過勤務と休日の勤務に関する規則
・ 基本給、超過勤務手当、休日手当、休日超過勤務手当の支払日と支払い場所
・ 休暇と休暇取得方法
・ 規律と罰則
・ 不満の申出先、方法
・ 雇用契約の解消、退職金、特別退職金

従業員台帳
従業員台帳には氏名、性別、国籍のほか、雇用開始日、役職または業務、賃金等を記載します。また、賃金台帳には労働日、労働時間、賃金、時間外手当、休日労働手当等の金額の記載と労働者の署名が必要です。従業員台帳は従業員の退職日から、賃金台帳は支払日から、それぞれ2年間保存・保管する義務があります。

使用者登録と被保険者登録
労働者を雇用した使用者は、後述の社会保険法と労災害補償法の規定に従って、30日間以内に使用者は「使用者登録」と「被保険者登録」を行います。労働者は積立金、使用者は負担金をそれぞれ基金に支払わなければなりません。

タイでの従業員解雇
使用者が労働者を解雇する場合には、事前の通知のうえ、解雇手当を労働者に支払う必要があります。事前の通知は、1給与期間以上前に通知しなければなりません。

・解雇事前通告。(直ちに雇用を終了する場合は、解雇の事前通告の代わりとなる雇用報酬を支払う必要があります。)
・解雇手当。法律で定められた金額で解雇手当を労働者に支払います。

なお、以下に該当する場合は解雇手当を支払う必要はありません。

・季節的労働のように期間が明確に定められており、その定めにより雇用を終了した場合
・業務に不誠実であること、使用者に対して故意に刑事上の罪を犯した場合
・故意に使用者に損失を与えた場合。
・不注意により使用者に深刻な損害を与えた場合
・就業規則または使用者の合法的な規定や命令に違反し、使用者が既に警告書を出した場合。ただし警告書を不要とする深刻の場合を除きます。警告書は労働者が違反した日から1年有効となります。
・休日の有無を問わず、適切な理由なく3労働日連続して職場放棄した場合。
・最終判決で懲役を受けた場合。不注意または軽犯罪でも使用者に損害を与えた場合は該当することになります。

2.日本とタイの国際比較

日本とタイの労働基準比較
項目 日本 タイ
労働時間 1日8時間
1週間40時間
1日8時間
1週間48時間
休憩時間 連続して6時間を超えて労働する場合に
は45分以上、8時間を超える場合には60
分以上の休憩
連続して5時間以上労働する場合には1
時間以上の休憩
休日 週1日以上の休日 週1日以上の休日
※日給制および出来高制の場合には、
週休日は無給
割増賃金 時間外労働:1.25倍
※月60時間を超える時間は1.5倍の例
外あり
深夜労働:1.25倍
休日労働:1.35倍
時間外労働:1.5倍
深夜労働:-
休日労働:2倍
※時間外労働時間数は、休日労働およ
び休日時間外労働の時間数と合計して
週36時間を超えてはならない。
年次有給休暇 6ヶ月以上:10日以上
1年6ヶ月以上:11日以上
2年6ヶ月以上:12日以上
3年6ヶ月以上:14日以上
4年6ヶ月以上:16日以上
5年6ヶ月以上:18日以上
6年6ヶ月以上:20日以上
※上記期間の出勤日数要件あり
通常有給の持ち越しは2年間
1年以上勤務した場合に6日以上付与
1年間で消化できなかった休暇は、労使協議の上、翌年に持ち越すか、休日労働として賃金の支払で代えることができる。
勤続年数が1 年に満たない労働者に対しても、勤務日数に応じて按分した有給休暇を与えなければならない。
※2008 年改正により、退職理由を問わず、使用者は退職者に対して有給休暇分の賃金を支払わなければならない。
管理職 管管理職は時間外および休日の割増賃金の支払い義務なし 管理職は時間外および休日の割増賃金の支払い義務なし
その他 ・祭日休日:使用者は労働者に祭日祝日休暇を予め知らせる必要がある。年間の祭日祝日数は、最低13日。
・傷病休暇:労働者は傷病の程度に応じて、賃金を受けられる傷病休暇を年間合計30日以内で取る権利がある。
使用者は労働者に対して3労働日以上の傷病
休暇については、医師の証明書を求めることができる。
・避妊手術休暇:医者が定めた期間は有給。
・出産休暇:休日を含めた90 日間で、45 日まで有給。
・軍務・軍事訓練休暇:年間60 日間は有給。

3.リンク

タイ投資委員会(Board of Investment)
  タイの投資促進機関。優遇政策等を確認できます。

タイ商務省事業開発局(Department of Business Development)
  会社の設立手続き等を規定しています。

タイ統計局(National Statistical Office Thailand)
  人口、社会経済などの統計情報を確認できます。

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