メキシコ進出支援

メキシコの会社法

目次

1.会社の機関 ■会社の形態 / ■会社組織
2.株主(株主総会) ■株主数 / ■株主総会
3. 取締役(取締役会) ■取締役(取締役会) / ■取締役の要件 / ■取締役会の権限の範囲
4. 会社の清算 ■解散・清算の事由 / ■現地法人の解散・清算の手順

1.会社の機関

■会社の形態

メキシコの会社形態は、商事会社一般法(LGSM:Ley Generalde Sociedades Mercanitles)の定めるところにより、以下の7つとされています。 ・株式会社(Sociedad Anónima : S.A.) ・合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada : S. de R.L.) ・合名会社(Sociedad en Nombre Colectivo) ・合資会社(Sociedad en Comandita Simple) ・株式合資会社(Sociedad en Comandita por Acciones) ・協同組合(Sociedad Cooperativa) ・簡易式株式会社(Sociedad por Acciones Simplificada)

この中で最も一般的な形態は株式会社(Sociedad Anónima:S.A.)です。これは日本からの企業進出についても当てはまることであり、その理由としては、親会社が多くの場合、株式会社であることから、日本の親会社、経営陣にとって株式会社形態が制度の類似性ゆえに扱い易いことが挙げられます。 メキシコへの直接投資額第1位であるアメリカは、合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada)の形態を多く採用しています。これはアメリカのメキシコ現地法人(子会社)がアメリカ税法上の人的会社であれば、子会社に損失が発生した場合、税務の連結により米国親会社の課税所得を圧縮できるという税務上の恩恵を受けることができるためです。

メキシコでは会社定款を改定せずに資本金を増減できる可変資本(Capital Variable:C.V.)制度が認められています。この可変資本金制度は、すべての設立形態で採用することができます。 この制度が採用されている会社を可変資本会社と呼び、会社名の後に可変資本を採用していることを示す語句が必要となります。しかし可変資本会社は、メキシコ法でも会社の形態とは認められていません。企業の法律形態の一つではなく、資本構成における一つの様態であると解釈されています。

■会社組織

メキシコで最も一般的な株式会社(S.A.)を構成する機関と、各機関の関係は以下の通りです。

※1メキシコでは、経営機関について独任制の採用が可能です。この場合、取締役の代わりに唯一代表取締役(Administer Unico:後述)が任命されます。 ※2矢印は任免権を示します。 ※3破線矢印は監督を示します
詳しい説明はWiki Investmentまで

2.株主(株主総会)

■株主 メキシコにおける会社設立では、基本的に発起人と株主は同一人物であり、この発起人によって設立手続が進められます。 LGSMにおける会社設立に際して、株主は2名以上でなければならないと定められています。株主になるための特段の制限はなく、法人・個人およびメキシコの居住者か否かは問われません。また、株主間の持株割合に関しても特段の規定はなく、99%と1%というような極端な持株の割合も認められています。

■株主総会 株主は株主総会を通じて会社の活動や方針などを決定します。株主総会の決議において、取締役会または唯一代表取締役の義務や活動範囲が決定されます。株主総会についてはLGSMの178条~206条に定められています。 株主総会には、通常総会と特別総会があります。株主総会は通常株主総会と特別株主総会の 2 種類があります。通常か特別かは、取り扱い事項により区別されます。 特別総会については、発行済株式(議決権)の75%超を有する株主の参加により、法的に招集が認められ、当該参加株主の過半数の賛成により決議されます。ここで扱う事項は、定款の改定を伴う事項、または特別な定足数を要する事項を扱うものとされています。 通常総会については、発行済株式(議決権)の過半数を有する株主の参加により、法的に招集が認められ、当該参加株主の過半数の賛成により決議されます。ここで扱う事項は、決算の承認・役員変更・代表権の授権と撤回・可変資本の増減等のその他の事項とされています。
詳しい説明はWiki Investmentまで

3.取締役(取締役会)

■取締役(取締役会)
取締役会とは、株式会社の経営機関であり、前述の通り、株式会社を設立する場合には、2名以上の取締役が必要となります。取締役が2名以上いる場合は取締役会が構成されます。取締役会を置く場合には、各取締役の役職名を設けます。役職は以下の通りです。

•議長(Presidente)
•秘書役(Secretario)
•財務役(Tesorero)
•取締役(Ejecutivo)
これらの役職のうち、議長は必須ですが、それ以外の役職については任意となります。取締役の人数に法の制限はありません。そのため、労働者利益分配金(PTU)対策および労働法7条(外国人1人に対して、現地人9人を採用するという規定)の対策として、すべての駐在員の肩書を取締役とする会社も存在します。
また、メキシコでは取締役会を置かずに唯一代表取締役(Administer Unico)を置くことができます。唯一代表者とは、取締役会を設置せずに1人の取締役に全権を委ねる経営機関です。進出間もない日本企業の多くは、取締役会を置かずに唯一代表取締役を選任し対応しています。
■取締役の要件
LGSMにおいて、取締役に選任できない者は「法律によって事業を行うことが認められない者」とだけ記載されており、ほとんどの者がメキシコにおいて取締役になることが可能です(LGSM151条)。 なお、取締役(唯一代表取締役を含む)は株主である必要はありません。
■取締役会の権限の範囲
取締役会は株主総会に干渉する権限はありません。これを前提として、取締役会は連邦民法2554条に従い、会社の業務を推進・指揮する権限を有し、会社の目的達成に関するすべての契約・行為・取引を執行または履行し、すべての行政または司法当局における訴訟・債権回収・管理および所有権に関する行為のために必要な権限を持つものとされます。 また、これらの業務を執行するに当たり、同法2587条に基づく特別な定めを要する権限についても有するものとされます。
詳しい説明はWiki Investmentまで

4■会社の清算

■解散・清算の事由
メキシコからの撤退や活動形態の抜本的変更(現地法人から支店・駐在員事務所、またはその逆)を決定した場合、現在業務を執り行っている現地法人・支店・駐在員事務所は清算されなければなりません。
会社清算手続きの主要根拠は、会社法、商法、連邦民法、及び会社定款の当該ルールです。しかし、税務に関する法規、また会社がその業種・業態に応じて有している登録類、及び取交している債権関係等を律するルールも重要です。
会社法の定める解散事由には以下のものがあります。

① 定款に規定する会社存続期間の満了
② 会社の主たる事業目的の遂行不能、もしくは完了
③ 株主の合意
④ 株主数の欠乏
⑤ 会社資本の 3 分の 2 の欠損
■現地法人の解散・清算の手順
商法上、現地法人の解散・清算は会社法第 X 章および第 XI 章の一連の規定に従って手続きされます。具体的には、現地法人については、解散・清算(Disolución y Liquidación de la Sociedad)の手続きを、支店・駐在員事務所については閉鎖の手続きを踏むことになります。
会社法に基づく解散・清算手続きは以下の手順で行います。

(1) 解散決議の採択~登記・通知
(2) 清算事務開始~結了
(3) 清算最終貸借対照表の公告
(4) 清算事務と清算最終貸借対照表の承認~登記・通知
(5) 残余財産の分配
(6) 会社の消滅
(7) 清算人による書類保管義務履行
詳しい説明はWiki Investmentまで

セミナー情報

海外進出セミナ-開催中
セミナー一覧はこちらから

関連サイト

今すぐ無料お試し!
ニュースレター申し込み