インドネシア進出支援

インドネシア進出

インドネシアの進出のメリット

インドネシアは天然資源に非常に恵まれた国です。石油、天然ガス、石炭といった化石エネルギー資源だけでなく、銅、ニッケル、錫など多くの鉱物資源も埋蔵されています。また、広大な海域がもたらす魚介類などの豊富な海洋資源、天然ゴムなど、多くの一次産品を産出してきました。
これらの輸出の質の転換を図るべく、政府主導のもと資源そのものだけに頼らず、さらに加工貿易を促進し、インフラ整備による物流の円滑化、付加価値の大きい産業育成などにより、国際競争力を高めることを目指しています。 他のASEAN諸国に比べて貿易依存度の低いインドネシアにとっては、貿易拡大の可能性は大きいといえます。積極的に二国間および多国間貿易協定を推進しており、今後は、アジアのみならず世界を視野に入れたダイナミックな交易展開が期待されます。

内需増加によるインドネシア市場の魅力

インドネシア経済の特徴の一つとして、旺盛な内需の伸びがあります。隣国のマレーシアやタイなどとは異なり、インドネシアは輸出依存度が比較的低く、世界金融危機などに大きく左右されずに成長を続けてきたのも、このことが大きな要因といわれています、 内需の伸びは、積極的な財政出動による公共投資も一因ですが、民間セクターの投資や個人消費の伸びもまた大きく貢献しています。21世紀になってから、1人当たりのGDPは5倍近くも伸び、2011年には3,000ドルを超えました、もともと貧富の差が大きいといわれてきたインドネシアですが、個人の購買力の底上げと同時に、貧困率の低下が進み、所得中間層の厚みが増して内需を押し上げています。2億4,700万という人口の多さだけではなく、所得の増加がマーケットとしての魅力をよりいっそう押し上げていくことは確実です。

インドネシアでの外資規制緩和と投資インセンティブ

2016年5月12日付けの大統領令2016年44号において、インドネシア政府が「条件付きで開放されている事業分野リスト」の改正の詳細を発表して、5月18日から施行しました。 外資規制緩和を通じて、インドネシア政府が外国の投資を呼び込んで経済成長加速を目指していきます。外食産業の外資への100%開放や商社、卸売業における外資出資比率上限の引き上げなど、日系企業に関心の高い業種が含まれています。

■規制緩和の業種

業種旧外資出資比率上限新外資出資比率上限 備考
映画100%
電子商業100%・ 上限100%現地中小企業との協力を条件
・ 投資額1000億ルピアであれば上限比率49%(電子システムを介した取引)
高速道路95%100%
スポーツセンター49%100%
病院経営コンサルティング67%100%病院、クリニック67%
倉庫33%67%
市場調査70%
通信網事業65%67%
ホテル51%67%
医薬品原料産業85%100%既成薬製造業85%
デパート業(400㎡-2000㎡)67%
私立博物館51%67%
陸上旅客輸送49%
カラオケ、ボーリング場49%67%
仕出し業51%67%
販売代理店(特定地域)33%67%
建設コンサルティング55%67%
再生ゴム100%工業長官の特別許可が必要
冷凍倉庫業33%100%
高圧電力設備の設置49%

投資優遇措置の少ないインドネシアにおいても、特殊な業態、地域、あるいは創業時の税務上の恩典がいくつか認められるケースがあります。

タックス・ホリデー制度

インドネシアの国内産業育成のため、開発を重点的に行うべきとされた下記5分野において、法人税の免除を認める措置があります。
・基礎金属
・石油ガス採掘あるいは石油ガスを源とする有機基礎科学
・機械
・再生エネルギー
・通信機器

これらの分野において、1兆ルピア以上の投資を行う企業に対して、5年から最長10年の法人税の免税措置を享受することができますが、条件として、投資金額の10%をインドネシアの国内銀行に預託することが義務付けされています。免税を受ける際の手続として、工業省に申請し、財務大臣の許可を得ます。ワンルーフサービスにより、投資調整庁でも申請が可能です。

保税地区内からの優遇制度

外国から物品の輸入をする場合、支払VAT(PPN)、関税(BM)、前払法人税所得(PPh22)が付加されますが、保税地区で操業する場合には保税のメリットとしてこれら税金の支払いが不要です。そのため輸出志向型の企業にとっては、キャッシュフロー上のメリットもあります。保税のステータスは保税工場(PDKB)と保税倉庫(PPKB)に与えられますが、いずれにおいても税務上のメリットは同じです。保税地区に工場を建設することができるのは、原則的に輸出を業とする企業ですが、一定程度であれば国内販売をする企業も建設可能です。 監査対応、事務手続きはありますが、税務優遇の少ないインドネシアにおいて、保税制度は魅力的であるといえます。

資本財および原材料マスターリスト制度

税務上の投資優遇制度として、資本財および原材料のマスターリスト制度があります。 事業開始・拡大時に機械を輸入する場合、あるいは原材料を輸入する場合に当該物品に係る関税を免税すると規定されています。資本財および原材料のマスターリストは、製造業以外にも、観光・文化、運輸・通信(公共輸送サービス)、鉱山、建設、港湾等の非製造業等、当該産業の発展や拡大に必要と認められる場合に、関税の免除を受けることができます。

その他(中小企業保護/経済特区)の優遇制度

通常、インドネシアの法人税は25%と規定されていますが、年間売上が50億ルピア以下の小規模事業の場合には法人税所得が50%免除となる措置があります。 経済特区(KAPET)に指定を受けた地域については、保税地区に認められる税務上の優遇のほか、加速減価償却等の優遇措置があります。

インドネシアのEコマース~マーケットポテンシャル

市場概況

インドネシアにおけるEコマース市場は、現在最も注目を集める分野の一つだと言われています。なぜ、インドネシアでは急激にEコマース市場が拡大しているのでしょうか。マクロ要因として挙げられるのが、まずインドネシアにおける人口規模です。現在インドネシアは、人口およそ2億5千万人だと言われていますが、年次ベースで見た場合に、インドネシアの人口上昇率は1.5%を超えます。また、インドネシア全体の人口の約半数が若年層(30代以下)であり、インドネシアのインターネット利用人口の伸びに貢献しています。次にスマートフォンの急速な浸透です。インドネシアの人口で2億5千万人のうち、およそ1億人がスマホユーザーだと言われています。また、インドネシアにおける中間所得層の所得増加もインドネシアEコマース市場の拡大に貢献していると言えるでしょう。

インドネシア進出の注意点

これまでは、海外進出する企業が、なぜインドネシアを選ぶのかについて、そのメリットを記載致しました。 ここからは、インドネシア進出にあたっての注意点を記載致します。

➀ インフラ等による懸念

インドネシアのインフラ整備には大きな課題があります。インドネシアの年々悪化する交通渋滞は、ジャカルタ首都圏のみならずインドネシア各主要都市においても深刻な社会問題です。また、インドネシア国内における電力不足や、電信設備普及の遅れなどが指摘され、特に工業団地地域においては、不定期に起こる停電にインドネシアへ進出する多くの企業は悩まされます。 ソフト面ではインドネシアでの行政手続や法手続について担当者ごとに解釈が異なる点や、手続きに多くの時間を要する、担当官からの金銭を含む不当な要求といった問題が頻繁に指摘されており、新興国としての問題をインドネシアは多く含んでいます。こうしたインドネシアのコンプライアンスについての意識の欠如が、日本企業の悩みの種でもあります。

② インドネシアのEコマース、その他の外資規制

成長著しいインドネシアのEコマース市場ですが、参入障壁は依然として高いというのが現実です。まず、資本金によって外資比率が変わってきます。


➊ 1000億ルピア以上(もしくは1000人以上雇用):100%外資可
❷ 100億ルピア~1000億ルピア未満:49%まで外資可
❸ 100億ルピア未満:外資禁止


通常であれば、49%までの外資を獲得することになるかと考えられますが、この場合であっても、1億ルピア以上(実際は授権資本により、2,500万ルピアで可)の資本金を用意する必要があると言え、IT起業を志す人や、日系中小企業にとっては、なかなかインドネシアへの参入障壁が高いのではないでしょうか。

又、インドネシア市場における外資の規制はEコマース市場に関わらず、以下は示す通り投資法上、国内投資及び外国投資を行うことができません。
・武器、弾薬、爆破装置、戦争用設備の生産
・農業:大麻の栽培
・林業:ワシントン条約で規定された魚類の捕獲
・海洋、漁業:沈没船からの貴重品の引き揚げ、建材、土産、装飾品等の利用目的での珊瑚の採取等
・工業:農薬の活性成分の製造、工業化学物質の製造、オゾンを破壊する物質の製造、化学兵器に関する化学物質の製造、アルコール飲料の製造
・運輸:陸上旅客ターミナルの設置、運営、自動車軽量ステーションの設置、運営、自動車の形式検査の実施、航空管制業務等
・情報通信:無線周波数、衛星軌道監視基地の管理、運営
・教育、文化:政府系博物館、歴史、古代遺跡
・観光、経済創出:賭博、カジノ

③ インドネシアにおける税務実務上の留意点

インドネシアの税務実務は関連手続きが煩雑であるため遅滞することがあります。運用上の詳細な規定が不明瞭なため、担当の税務職員の恣意的な判断で運用される場合もインドネシアでは見受けられます。税務調査も同様の傾向があります。インドネシア進出の際には、インドネシア税制上の特徴を事前に調べた上で運営を開始することが重要です。

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