中国進出支援

中国の会社法

目次

1. 中国における企業形態 (1)中外合併会社(2)中外合作会社(3)外商独資会社(4)外商投資株式会社
2. 株主総会・株主会 会社法37条、38条について
3.董事会・執行董事 株主会・株主総会に対して責任を負う業務執行機関について

1. 中国における企業形態

中国の企業は大きく内資企業と外商投資企業の二つに分かれる。

■内資企業
内資企業とは中国国籍を有する自然人、または中国本土で設立登記をした企業が出資して、中国国内に設立された企業をいう。
■外商投資企業
外商投資企業とは、中国本土以外の、外国の資本が入っている企業のことを言う。外商投資企業は以下の四つの種類に分けられる。
(1)中外合併会社

中外合併会社とは、外国投資者と中国国内投資者が共同出資して中国に設立した有限会社であり、出資比率に応じて利益配当を受け取ることが出来る。
外国人が中国国内で投資をして設立を行う上で、最も一般的な方法として活用されている。

■出資比率
原則として、外国人出資者は出資比率25%以上である必要がある。
しかし、認可されれば25%未満でも設立可能であるが、その場合は、発行された「外商投資企業認可証書」に「外資比率25%未満」と記載される。
それによる影響は、本来外商投資企業に与えられる税制優遇などの優遇措置を受けることができない。

■機関の体系
中外合併会社の場合、株主会・株主総会はなく、董事会が最高意思決定機関であり、業務執行機関でもある。

出所:JETRO「中国における経営管理機構」

(2)中外合作会社

中国合作会社とは外国投資者と中国国内投資者が共同出資した有限会社で、 出資方法・損益分担方法などは契約によって決められれる。

■特徴
中外合併企業と基本的には変わらないが、異なる点としては、権利・債券負担・利益配分などの重要事項の全て「合作契約」に基づく点である。
また、出資比率によらず、契約によって全ての重要事項が決定するため、多様な会社形態を選択できることも特徴の一つである。

■機関の体系
中外合併企業と同じ機関体系で組織を形成することも可能であるが、法人格を有さない形態も認められており、経営管理機構を最高意思決定機関にすることも認められている。

(3)外商独資会社

外商独資会社とは単独または複数の外国投資者の出資のみで設立される有限会社である。

■出資比率
外商独資会社においては、外国人出資率が100%で形成される。 また、出資者は単独でも可能であるが、複数の外国人が出資し合って独資会社を設立することも可能である。

■機関の体系
機関の体系としては、合併会社や合作会社のように、董事会や経営管理機構の規定は存在しない。
独資会社の場合、単独・複数の外国人出資者で設立されるため、中国会社の保護が必要ないという理由から規定が存在しないと考えられる。
しかし、中国における設立のため特別な規定ない限りは、中国の会社法が適用されることが一般的である。
そのため、独資会社であっても、董事会や経営管理機構を設置して組織を構築することが多い。

(4)外商投資株式会社

中国における会社設立において、「三資企業」が主流とされているが、外商投資株式会社という形態も存在する。
外商投資株式会社とは外国投資者が出資する株式会社のことをいう。
中国の会社法は上記の会社全てに適応され、さらに外商投資企業はいずれも特別法に準拠しなければならないところが、内資企業との相違点である。

■特徴
外商投資株式会社は、中国国内出資者と外国出資者が共同で設立することが義務づけられている。
そのため、外国出資者の100%出資における新設及び株式取得は認められていない。

■機関の体系
外国出資者の出資比率が25%を下回ってはならないとされている。

進出形態 特徴




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独資企業
(100%外国企業の投資による会社設立)
メリット
外国投資側の意向に沿った意思決定ができる
デメリット
外国投資側の投資資本が多く、すべて独自独力で企業運営しなければならない
合併企業
(中国企業との共同出資による有限責任会社)
メリット
・外国企業の投資資本が少ない
・中国側パートナー企業の資産、労働力、販売ルートの活用が可能
・当局との折衝などの際に中国側企業パートナー企業の力が利用できる
・外国企業からの派遣が少ない
デメリット
  • 中国企業には董事会での重要事項拒否権があるため、同企業との協力関係が重要となる
合作企業
(中国側パートナーとお互いの役割、出資内容、利益分配等につき、契約で取り決める形態)
メリット
・権利や義務は全て双方の話し合いによる合作契約によって決まる
・合作契約によって短期間で利益を回収できる
デメリット
・合作契約のため企業が赤字でも契約上の利益分配が必要
・長期的企業戦略の作成が難しい
外商投資株式会社 メリット
・株式発行、上場等による資金調達が可能
・存続期間に定めがない
・合併会社の様に童子会の全員一致が要求されないため、株式確保による会社支配が可能
デメリット
中国国内外での株式上場、社債発行により資金調達手段を増やすことで 大規模な資金調達が可能になるが、設立に際しては法律上の厳しい条件がある



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現地法人と駐在員事務所との中間的な拠点 メリット
新たな出資金や定款の作成が不要なため、設立コストや手続き面において優位
デメリット
総公司の経営範囲を超える業務は不可





市場開拓、取引先発掘、取引先との連絡・関係の強化を目的に、本社社員あるいは 現地雇用の中国人従業員を常駐させる方法 メリット
多種多様な業種で許可され、設立・撤退手続きが容易
デメリット
・営業行為や現地従業員の直接雇用は出来ず、中国の人材派遣会社経由の雇用となる
・営業活動は出来ないが、原則、中国国内における源泉所得は企業所得税の課税対象となり、 駐在員事務所で行っている業務の一部が課税業務と認定され、推定課税を受ける

2. 株主総会・株主会

会社のすべての株主で構成される株主会(有限責任会社)または株主総会(株式会社)は会社の最高意思決定機関で、あらゆる基本的重要事項を決定する。
決議事項は、会社の経営方針、董事・監事の選任・解任、予算・決算案の審議・承認などがある。(会社法37条、38条)。
しかし、中外合弁会社、中外合作会社に関しては株主会・株主総会はなく、董事会は最高意思決定機関として定款の定めに従い、意思決定が行われる。
また、外商独資会社のうち、外国企業が共同で出資している場合には、株主会・株主総会が最高意思決定機関となる。

3. 董事会・執行董事

董事会は董事長・副董事長・董事などによって構成され、株主会・株主総会に対して責任を負う業務執行機関である。
株主会・株主総会の決議を実行し、予算・決算案や合併・分割・解散案などを立案し、内部管理機構の設置や総経理の任命などを主に実施する機関である。 また、董事会は、中外合弁会社ならびに中外合作会社にとっての最高意思決定機関であり、業務執行機関でもある。

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